外来で切除可能ながんとできないがん


早期大腸癌の多くは外来で日帰りで切除できます。しかしその形態によっては特別な器具、入院観察のできる施設が必要な場合があります。
それはがんの大きさにはよりません。以下にその実例を紹介します。

サイズが大きいが切除可能ながん

(1)


先端の腫瘍部の直径が2cmと大きなポリープがんです。基部が茎になっているのでクリップをかけて血流を止めれば、
スネア(通電できる金属線の輪)で焼き切ることにより安全に切除することが可能です




切除標本の顕微鏡所見は管状腺癌とのことで完全に取りきれていました。


(2)


茎のない直径10mmのポリープです。表面の色調が若干不規則です。
立ち上がりがスムースで周囲の粘膜がひきつれていません。
ポリープの根本に薬液を注入して周囲より持ち上げました。
スネアをかけて電気で焼却切除しました(EMR法)。



顕微鏡所見は管状腺癌で粘膜内にとどまっており取りきれていました。


サイズが小さいが外来では日帰り切除できないがん

(1)


平坦で境界が不明瞭な赤みをともなう一見小さな隆起性病変(Ua)です。スネアによる切除はできません。
紹介先の病院ではESD(内視鏡的粘膜切除術)という特殊なナイフを用いた方法で一括切除されました。
顕微鏡所見では直径16mmの高分化型腺癌で完全に切除されていたとのことでした。

(2)


一見境界明瞭な円形平皿状のポリープですが緊満感があり周囲の粘膜がひきつれています。
生検ではすでに粘膜筋板を巻き込んだ管状腺がんであり早期がんではありません。外科的に大腸切除術となっています。
リンパ節転移はなく根治切除(取りきれている)となりました。



サイズが大きく外来では日帰り切除できないポリープ



丈の低い横方向に発育するタイプの腫瘍(LST,側方発育型腫瘍)です。
スネアによる外来ポリープ切除はできませんが、大きさの割には腫瘍の深さがそれほどでもなく内視鏡治療が可能となることが多くの例であります。
この方の場合も病院に入院してESDにて切除されました。直径28mmの腫瘍でした。


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