日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですが四番目は?

正解は肺炎です。平成12年の統計では 一年間に16,938人がなくなっています。

高齢者を中心にインフルエンザなどをこじらせて発症するケースが多いが、最大の原因は肺炎球菌によ るものです。侮れない重大疾患なのですが、予防法として肺炎球菌ワクチンの「ニューモバックス」の 予防接種があります。一年中、いつ受けてもよく、一回注射すれば五年以上効果が持続します。高齢の 慢性肺疾患患者にインフルエンザと肺炎の両ワクチンを接種すれば、入院を63%、死亡を81%減ら すとの海外報告もあります。

肺炎ワクチンは肺炎を引き起こす肺炎球菌の8割に有効で、安全性も高いことが実証されています。世界保健機関(WHO)は肺炎ワクチンの接種を勧告。アメリカでは65歳以上の45%が接種しています 。日本ではまだ一部の患者を除いてワクチン接種には健康保険が利きません。

(平成13年11月18 日 読売新聞より一部引用)



 
70歳未満の市中肺炎(※注1)の起炎菌はマイコプラズマという病原体が圧倒的に多く、肺炎球菌は2番目です。 しかし、70歳以上の市中肺炎の起炎菌は肺炎球菌が一番多く、インフルエンザ菌、 嫌気性菌、緑膿菌と続きます(medical tribune 2002年8月8日)。 また肺炎球菌が引き起こす主な病気としては肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症のほか、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります 。

 「肺炎球菌ワクチン」は高齢者の肺炎の原因となる病原体のなかで、最も頻度の高い「肺炎球菌」という細菌を狙った予防ワクチンです。 当然ながら、肺炎球菌以外の微生物による肺炎の予防効果はありません。 くれぐれも「肺炎球菌ワクチンはすべての肺炎に有効ということではない」ことを理解してください。 さらにこのワクチンには「肺炎予防効果」とともに、肺炎球菌による「肺炎になっても 軽症ですむ」、「抗生物質が効きやすい」などの効果もあります。肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防する効果のあるワクチンです。

  日本では高齢者の重症市中肺炎の約50%、院内肺炎(※注1)の10%が肺炎球菌によるものです(河野茂ら:日本内科学会誌87(2):4,1998)。 近年、ペニシリンなどの抗生物質が効きにくい肺炎球菌が増加し、30~50%にも及ぶと言われています。肺炎球菌ワクチンはこのような耐 性菌にも効果があります。

 1927年に最初の肺炎球菌ワクチンが開発され、現在日本では製品としては「ニューモバックス」(万有製薬)があり、どこの診療所でも簡単に入手可能です。肺炎球菌には80種類以上の型がありますが、肺炎球菌ワクチン接種によりそのうちの23種類に対して免疫をつけることができます。これですべての肺炎球菌による肺炎の8割ぐらいに有効です。

※注1:入院中の患者さんが肺炎になる場合を「院内肺炎」と呼び、一般家庭で暮らす人の肺炎「市中 肺炎」とはいろいろ異なることが多く、両者を区別します。


2000年までの日本では医師ですらその存在を知らないことが多かった肺炎球菌ワクチンが、「新聞やテレビ放送で取り上げられ、2001年から肺炎球菌ワクチンを希望される高齢者が急増した」と薬品メーカーの担当者が話しています。

 日本では肺炎球菌ワクチンの使用実績が少ないことから、患者数やワクチン接種の有効性・安全性 関する十分な調査が行われておらず、医療現場におけるワクチン接種の必要性などについての議論も十分になされていません。国内で接種が広がらない理由は、医師も含めて肺炎ワクチンの知名度が極端に低いこと、健康保険がきかないこと、予防接種の重篤な副作用に対する過度の不安があることの3点です。

 安全性は高いといわれ、重篤な副反応は極めてまれです。よくみられる副反応には、注射部位のかゆみ、疼痛、発赤、腫脹、軽い発熱、関節痛、筋肉痛などがあります。接種日から2日後にかけて腕の疼痛などの局所反応は2~3%、筋肉痛37.5度以上の発熱は10%以下です。多くは1~3日で消失します。

 ただし、過去にこのワクチンを受けたことのある人が短い期間で再接種した場合には、強い副反応がでるといわれているので、この点は厳重な注意が必要です。しかし、5年以上間隔をおけば副反応も減り、大丈夫なようです。

日本での重篤な副反応の報告は3例で、アナフィラキシーショックはなく、死亡例もない。重篤な副作用は、いずれも基礎疾患によるものか、副反応によるものかはっきりしないものでした。ニューモバックスでは、2例/1千万例の頻度でアナフィラキシー様反応(急激に起こる重篤なアレルギー反応)がみられたとの報告もあります。「初回接種はインフルエンザの予防接種と同じくらい安全」と考えてよいと思います。

(前田敏明氏のご厚意で、氏のホームページより 引用)


院長のコメント

当院も慢性疾患で通院される方の平均年齢が高くなりつつあります。肺炎球菌に よる肺炎は、全肺炎の原因菌の約三分の一とされておりますが、肺炎球菌感染は重傷化しやすく、死亡率が高いといわれています。数時間のうちに悪化して抗生剤が効く前に亡くなってしまうこともあります。厚生労働省は今のところ一生に一回しか接種を認めていません。そこで70歳以上の心臓、呼吸器に慢性疾患のある方、腎臓病、糖尿病の方、そして 健常な方でも75歳以上ならばワクチン接種をおすすめします。費用は個人負担となりますが詳しくは接種方法の段取りを含め、当院受診時か電話でお問い合わせください。


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